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会議録 2006.08.22更新
討論 「災害対策条例案他2件に対する賛成討論」 H18.03.10
 
◆上島よしもり 議員
 それでは、議案七十九号、八十号、八十一号の三条例案にすべて賛成する立場から意見を申し上げます。
 本日は「東京都平和の日」でございます。平和への願いを強く抱きながら、まず国民保護法に基づく条例案二件について申し上げます。
 平和を希求する我が国に対しての外部からの攻撃や、その他、国家、国民における緊急事態に対処し得るような必要な備えをしていくことは、独立国家として当然のことであります。その国家の安全保障の土台となる基本的な体制を法的に定めていくものが有事法制であります。
 特に、今回上程されました条例の大もととなる国民保護法は、有事法制の中でも国民の生命と財産を守るという、最も目的に直結した重要な法案となります。この国民保護法は、さきに成立した武力攻撃事態法等の三法より時間をさらにかけ、自由民主党、公明党、民主党が協議し、一定の修正を加え、圧倒的多数で可決成立した法律であります。特にこの修正に当たっては、与野党を超えた合意が必要であるとの認識により、野党民主党の意向を大きく受け入れた修正となっており、安全保障にかかわる法律の重さをそこに見ることができます。
 今条例の設置については、国民保護法に明確に必置が規定されたものであり、自衛権を否定しない限り、反対はまず考えられません。加えて、今条例の内容は、武力攻撃事態における国と自治体の協力体制の骨格を規定するものであり、個別具体的な問題と直接かかわるものではありません。国民保護法の中では自治体独自の住民保護措置の実施も否定されておらず、自治体としてどう対処していくかといった具体的な計画については、今条例で設置される組織を通しつくられていくものであり、まさにこの条例に反対することは、自治体の自律的判断の余地を否定することになります。
 以上をもって賛成に十分な理由になると思いますが、特別委員長の報告にありましたように、委員会において有事法制に関し気になった見解に関し、二点端的に述べさせていただきたいと思います。
 まず、この有事法制そのものの有効性について課題があることを指摘し、それを反対の理由の一つとしているところが見受けられました。確かに現在の有事法制にはまだまだ課題があることは周知のことであります。今後も、さらに国会で議論され整備されていくべきでありましょう。しかし、現実には憲法やその他の法律との関係で、想定される危機に即応し得る法律を整備していくには相当の段階を踏み重ねていかなければなりませんので、一朝一夕というわけにはまいりません。同時に、我が国のような、とりわけ民主的で自由な社会体制がとられている国において、あらゆる人為的な攻撃にパーフェクトに対処するための法律を整えることは不可能に近いという現実も理解しなければなりません。
 いずれにしましても、こういった国家的非常事態における法整備に関し、区議会の中で、さまざまな攻撃に対して有効かどうかなど個別に議論できるわけはなく、ましてや個別に対応できるような実力を持ち合わせていない以上、国や都と一体的に対処し協力し合う基本的体制を法律に基づいて整備していくことが最も肝要なことであるはずであります。
 もう一つ、最も強調されておりました懸念といたしまして、基本的人権が侵害される、財産権や所有権等の私権が制限されるという点についてでありますが、まず国民保護法四条に国民の協力など明記がされており、これはいわゆる努力義務であり、厳密には自発的なものとされ、強制があってはならないと記されております。
 また、第五条では基本的人権の尊重がしっかりうたわれており、制限は当該国民の保護のための措置を実施するための必要最小限のものに限られ、かつ公正、かつ適正な手続のもとに行われるものと規定されております。
 続く第六条では国民の権利利益の迅速な救済がうたわれており、国民の保護のための措置の実施に伴う損失補償に対し、できる限り迅速に対応することにもなっており、懸念される点について完全に否定するわけではありませんが、想定される範囲では、おおよそ問題は生じないと解するのが一般的であります。
 これに関してつけ加えれば、想定する有事というものは生存権の侵害が大量に起こるという事態であり、そのような緊急事態発生時において、平時に意識されるような私権よりも生存権という根本の権利が格段に優先されることは、万国共通、普遍の道理であり、特殊な想定による逆の論理が強調される必要などあろうはずもありません。
 もっと申し上げたいことがありますが、第八十号、第八十一号議案、二案については以上とさせていただきます。
 次に、第七十九号議案について端的に申し上げます。
 今条例は、災害という有事に際し、自助、共助、公助という基本理念に立って、私たち自身、そして私たちの町を力を合わせ守ろうという極めて当たり前の方針に基づき、もろもろ規定した条例であります。
 議会においても、災害対策については幅広く、また細かく、これまでも議論され、今条例は、まさにそれらを受けとめるものとして、議会からも切望された条例であります。条例の趣旨、これまでの経過、そして条例の性格、どれをとっても全会一致で可決されるべき条例であるはずであります。
 さて、委員会では、一委員より表現をどうするべきかというきめ細やかな視点による修正案が出されました。提案されたこと、また委員会での議論がさらに深まったことに対して、議会人として敬意を申し上げたいと思います。
 しかし、この条例内容について基本的に肯定しながら、本質論ではないところをとらえて採決に反対された点については、正直理解しかねるものであります。どちらの表現も努力義務という、法的には全く同じレベルであることは委員会の中でも確認されておりました。それぞれの立場で判断された賛否について異議を唱えるものではありませんが、今条例案が区民の生命、財産にかかわる条例であり、その効果を高めるためにも幅広いコンセンサスが重要になるという性格の議案である、そのことを認識されていたのか。そうでないならば、もう一度認識し判断すべきであろうと、採決の前に強く申し上げておきたいと思います。
 最後に、今回の三つの議案は、区民の生命、財産にかかわる重要なものであり、条例が期待する効力については、区民の理解度と正比例していくものであります。ぜひ風説や誤解が広がらないよう、わかりやすい説明、十分な広報をしっかり進めていただくことを最後に要望し、賛成討論といたします。
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